ALBAは全英オープンのオフィシャル・デジタルメディア・パートナーです。 David Cannon/Getty Images
2004年全英オープン。今年と同じロイヤルトゥルーンを舞台に、世界が驚くメジャーチャンピオンが登場した。トッド・ハミルトン。戦う場を求めてアジアで5年、そして日本で12年プレーした苦労人が、ついにメジャーの頂点まで上り詰めたのだ。
ノーマークながらもロイヤルトゥルーンでの全英オープンを制したトッド・ハミルトン 写真/ALBA
3日目を終えてトップには立っていた。しかし、1打差の2位にアーニー・エルス。さらに1打差でフィル・ミケルソン、レティーフ・グーセン、トーマス・レベという百戦錬磨の選手がズラリと控えていた。トップから4打差の位置には、飛ぶ鳥を落とす勢いのタイガー・ウッズ……。
「さすがに、このまま逃げきるのは難しいだろう」
というのが大方の予想だった。
トッド・ハミルトン、38歳。このノーマークだった男は、最終日も世界の猛者を相手に堂々としたプレーを見せた。確かに同伴者エルスの自滅に助けられた感は否めない。ハミルトンが1打リードで迎えた最終18番パー4。パーセーブに失敗したハミルトンに対し、エルスは2メートルのバーディチャンスにつけた。
誰もが描いたエルスの大逆転勝利。しかし、メジャーの大舞台に気後れしてしまったのか、このパットをエルスは打ち切れなかった。追いつかれこそしたものの九死に一生を得たハミルトンに対し、明らかにエルスへ傾いていた流れは途切れた。4ホールのプレーオフに入り、3ホール目(17番パー3)でエルスはグリーン左から寄せきれずにボギー。一方のハミルトンはプレーオフでも堅実なプレーを見せ、ついに栄光のクラレット・ジャグに袖を通した。